睡眠は大事

生活習慣病:持つ人、不眠に悩まされる傾向強い 生活習慣病を持つ人はそうでない人に比べ、不眠に悩まされる傾向の強いことが、内村直尚・久留米大助教授(精神医学)の調べで分かった。特に高血圧症、高脂血症、糖尿病の3疾患を抱えて治療を受けていない人の半数近くが不眠を訴えており、うつ病などの精神疾患につながる恐れもあるという。 調査はJR東海の協力を得て、同社が調査モニターの契約を結んでいる35〓59歳の会社員男女7800人を対象に実施。昨年12月にインターネットを使って、過去2年間の健康診断で3疾患の可能性を指摘されたかどうかや、睡眠の状況、うつ症状の有無などを聞き、6084人(男性5546人、女性538人)から回答を得た。 3疾患のいずれも指摘されていない3015人では、不眠の悩みを抱えているのは27%だったが、いずれかを指摘された3069人では33%で統計的に有意な差があった。さらに、3疾患すべてを指摘されながら治療を受けていない人では、46%が不眠を訴えていた。 また、調査で抑うつ状態と判定されたのは、3疾患のいずれも指摘されていない人では4%に過ぎなかったが、いずれかを指摘された人では6%、3疾患すべてを指摘されながら治療を受けていない人では11%に上っていた。 内村助教授は「生活習慣病と不眠の間には相関関係があるようだ。不眠はうつ病につながり、最悪の場合、自殺も考えられるので、生活習慣病の疑いのある人は、その治療を受けたうえで、精神科や睡眠専門外来も受診してほしい」と話している。【山本建】毎日新聞 2005年4月2日 19時07分