<中国>日本の常任理入り反対デモ 広東、四川両省で

 【香港・成沢健一】中国広東省深セン市で3日、日本の国連安保理常任理事国入りに反対する民間団体が集会を開き、参加者が日系スーパーの看板などを壊す騒ぎに発展した。歴史教科書問題も絡み、中国各地で日本製品の不買や撤去の動きが出始めているが、一連の反日抗議行動の中では最大規模とみられる。
 集会を主催したのは、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の中国領有を主張する「中国民間保釣(尖閣防衛)連合会」など5団体。市中心部で約2000人が集まり、日本の常任理事国入りに反対する署名活動を行った後、二手に分かれて市内をデモ行進した。
 日系のスーパーなどが入るショッピングセンターに到着した約1000人の参加者は「日本製品ボイコット」などと叫び、一部の参加者は案内板や休憩コーナーのパラソルを壊した。武装した警官隊も出動し、「売国奴を打倒せよ」と気勢を上げる参加者とにらみ合う一幕もあった。
 デモに参加した20歳代の男性は「歴史を反省しない日本に、常任理事国になる資格はない」と話した。
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 【北京・大谷麻由美】中国四川省成都市で2日午後、日本の国連安保理常任理事国入りに反対する中国人の若者数十人が日系スーパーを襲撃、石やパイプでショーウインドーのガラス数枚を割った。けが人はなく、警察が中国人数人を拘束した模様だ。重慶の日本総領事館が明らかにした。
 同スーパー前で約3時間、日本の常任理事国入りに反対する署名活動が行われたあと、徐々に過激になった参加者がスーパーを襲ったという。3日午後も、付近で抗議活動が行われた。
毎日新聞) - 4月3日19時57分更新